その6 「音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対」とは何か

83.33333…時間

 

 この数字は、アーティストのライブやコンサートについて、独断と偏見によって導き出しました数字です。

 条件は以下の通りです。

 

座席数:3万人分

一人当たりの身分確認に要する時間:10秒

入場窓口:一つ 

 

30,000×10÷1=300,000秒=5,000分=83.33333…時間

 

 全観客に身分確認を行った時にかかる時間を自分なりに算出してみました。 

 この条件はどれくらい現実的なのか。

 奇跡的にこの記事を読まれているご自身で条件を変えて、考えていただければと思います。と言っても、多くの方がこういった計算をされているでしょう。より複雑に、正確に。

 しかし、小難しいことは私には分からないので、自分の物差しで考えたいと思います。

 

検証

 まず、この座席数の会場で、入場窓口が一つであることはあり得ません。会場の構造にもよるでしょうし、人員が増えればそれだけ費用もかかる。席種によって値段が違えば、それに伴ってより細かく分担する必要もあるかも知れません。

 次に、身分確認はどれ程スムーズに行えるものなのでしょうか。窓口でチケットや身分証の提示に手間取ることもあるでしょう。それこそ、怪しい人物にはより詳細に確認する必要があります。当たり前ですが、10秒が20秒になれば、結果は2倍になります。逆に5秒で終われば半分です。平均しても、どれくらいの時間で実施できるのでしょうか。

 

 ライブやコンサートには、当然リハーサルや会場準備があります。運営作業など関わったことがありませんので、実情は知りませんが、開場時間に間に合わせるため、慌ただしく作業が行われていると想像します。時には同じ会場での複数公演などもあります。会場から開演までの時間をなるべく短くし、お客さんの負担を減らすこともサービスとして重要なはずです。

 

現実

 物事は常に理想に向かって取り組まれます。この場合、ライブやコンサートにおいての理想とは、「多くのファンが適正な販売ルートでチケットを入手し、会場を満員にすること」だと思います。あらかじめチケット販売時に、入場時に全員の身分確認を実施すると周知しておけば、転売を目的とした購入は減少すると思われます。

 しかし、理想を追い求めるには、それではダメなんですね。何ヶ月も前に購入したチケットを消化できないファンも必ず現れます。その人たちが転売を行わなくて済むように、再販制度も必要だとされています。また、同伴者についても同様な身分確認が必要となれば、同伴者の変更に対応することも理想への一歩かもしれません。

 

 

 

 ここまで考えて、誰もが思うわけです。

「めんどくさいな」

「皆が良心に従って行動すればいいじゃん。」

 

 私もそう思います。でも、それって(言い過ぎかもしれませんが)世界平和を願うのと同じです。

 

 しかし、その世界平和を願って、多くのアーティスト、音楽関係団体がタイトルにある宣言を行ったんだと思います。それこそ「ラブ&ピース」を歌うように。

 

希望

 自己都合で会場へ行けなくなった人はただただ涙を飲み、多少の空席はやむを得ない。また、入場時のストレスは我慢する。最大公約数というのか妥協というのか、ベストは無理だけどベターな方法を考える。誰もが幸福になる方法なんて現実的にはあり得ない。

 

 でも、信じて歌いたいのは私だけでしょうか。

 

 誰か、この世界を平和にする方法を考えてください。よろしくお願いします。(結局、他力本願ですいません)